子供はキャベツから生まれる
レタスは促成栽培された最初の野菜のなかに数えられます。
促成栽培は季節外に収穫できるよう栽培するというわけだから、通風、湿度、温度、光を調節できる環境が必要となります。
レタスは昔から温床で栽培され、ふつうに露地栽培された場合よりも早く収穫されてきました。
しかし、輸送手段の発達により遠方への供給が迅速におこなわれるようになったため、レタスの促成栽培はいまでは減少しているのです。
レタスはまた、乳状の汁を分泌するということで、乳飲み子をかかえる母親たちに乳の出をよくしてくれるのではないかと思われてきました。
これは、"植物は何らかの印によってそれぞれの効能を示す"という〈表徴の理論〉によるものです。
ここでの印は、乳を連想させる乳状の汁。
"子供はキャベツから生まれる"という公式見解のようなものが昔からありますが、赤ん坊の生長に必要な乳の源でもある玉レタスから生まれるとしたほうが、もっと説得力があったのではないでしょうか。
しかし、現実を歪曲するか、部分的にしか考慮しないというのが"公式見解"の目的なのだから、文句を言ったところではじまりません。
