気になる歴史的なこと その11
記号消費という文化的遺伝子は確実にわたしたちの体内に宿ってしまったのです。
不況になってもモードが急に「清貧」になるわけではないのです。
歴史のアイロニーというべきでしょうか。
身分や富からの解放に始まった20世紀ファッションが、贅沢の大衆化をかくも見事に実現し、あげくに多くの「魂なき享楽人」たちを生み出してしまったのは―。
この世紀末、むやみに魂の癒しがはやり、さまざまな宗教がはやるのは、いわばブランド信仰のゆきつくところ、近代ファッションの過飽和のロジカルな帰結の一つだったのです。


